Kitanoda Band Festival

第4回北野田バンドフェスティバルを終えて

　今年で北野田バンドフェスティバル（以下KBF）も第4回。当時のSakai奏人の楠本さんと、登美丘中学校の狩野先生から声をかけていただき、今までにない吹奏楽のコンサートをやりましょうということになりました。吹奏楽部の顧問になってまだ間もなかった私でしたが、「世代を越えてその場限りでは終わらない交流」を主旨としたKBFの理念に共感し、うちの部員たちの成長の場を増やすことが出来ると確信し参加を決めました。東区の団体に唯一中区の団体として参加させていただくので、以来事務局として活動全体に絡んでいこうとかなり気合いが入ってように思います。

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　ホールの方の協力もありなんとかやりきった第１回でしたが、予定時間を大幅にオーバー。リハーサル時間の管理も舞台転換もうまくいかず、問題点だらけだったにもかかわらず、客席は異様に「熱い」盛り上がりで、このイベントはご来場のお客様と一緒に作り上げていくべきなのだと身をもって知りました。

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　そういった課題を改善すべく臨んだ第２回。チケットを入手できなかった方のために、前日2Fのギャラリーで行った初芝/登美丘/精華の3年生で組織した「トマト吹奏楽団」のフリーコンサートが大盛況。当日のグリーンバンド（高校2年生＋中学生の合同バンド）の演奏は4曲でうち1曲はプロ・ユーフォニアム奏者河野健さんのソロもフィーチャー。プロの指揮者吉延勝也先生のご指導も含め、「ここでしか体験できない演奏活動」を前面に押し出しました。

　少しでも多くのお客様にこの活動を知っていただきたくて、Ⅰ・Ⅱ部完全入れ替え制にした第3回。この年はローズバンド（社会人団体の合同演奏）が目玉に。高難易度の楽曲を演奏していただき、中高生との違いを見せつけられました。前年度の「トマト」に引き続き「ひまわりウィンドバンド」と命名された高３バンドのコンサートも前年度以上に盛り上がり、KBF本編もⅡ部制にしたことで時間的余裕が出来、難なく運営が出来るようになってきました。

そして迎えた今年度、第４回。高３バンドのバンド名は「ハレルヤ・ウィンドバンド」音楽の神の名にちなんだバンド名で、歴代高３バンドに負けじと充実した楽曲、パフォーマンスで、２階ギャラリーは立ち見で客席がごった返すほどの熱気に包まれました。

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　今年もⅠ・Ⅱ部入れ替え制で、客席は最後までほぼ埋まっている状態。毎年行っているフィナーレでは初めて曲を変更。今までは『世界に一つだけの花』でしたが、今年は『風になりたい』を社会人バンドも演奏に加わり、本当に全員フィナーレ。感動的なものになりました。

吹奏楽定番曲を演奏する団体があれば、ポップスで楽しく盛り上げてくれる団体、コンクール曲に真剣に取り組んだ団体と、客席の皆様も各団体が醸し出すそれぞれの雰囲気を満喫できていたのではないでしょうか。こんな演奏会ほんとにないですよ。って自慢したいです、心から。

　合同演奏については、各団体活躍する場が増えているのか、合同練習の時間がなかなか取れなくなり、当日のリハーサルまで「大丈夫か」と心配になる場面が多く見受けられました。中学生にとっては高校生と一緒だからこそできるような楽曲、高校生にとっては少し「背伸び」してやっとできそうな曲を選曲していただいているのですが、合奏の時間が少なくなるとなかなかその選曲が妥当だったのかどうかが疑わしくなってしまいます。ただ、他団体との交流は楽しいようで、音楽を通して人の輪が広がっていることがよく分かります。我々スタッフも同じで、このイベントを通して、普段は別の世界で活躍されている方のご意見を聞き、感性に触れることでこの年齢になっても多くの新たな発見があり、どんどん世界が広がっていくことを実感できています。

　来年度第５回を迎えるこのKBF。結成当初の主旨は何ら変えることなく、運営面での充実を図りながら演奏者やスタッフ、お客様を巻き込みながら、堺を代表するフェスティバルになるよう、まだまだ改善点はあります。

　それらを克服しながら、KBF新たなステージへ突入します！

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精華高等学校   木村　慎一